株主ファーストからの脱却
ぺーやんです。
最近、アメリカ最大規模の経済団体「ビジネス・ラウンドテーブル」は、数十年にわたって資本主義を推進してきた株主第一主義を廃止すると発表しました。
又、株主利益の追求は、アメリカの実業界の主目的ではなく、今後は利益を生む事と共に、社会的責任を果たすことにも注力すべきだと意見を述べました。
50年近い歴史を持つビジネス・ラウンドテーブルが、株主利益を最優先としなかったのは今回が初めてだと言うことです。
そもそも株主第一主義は、ノーベル賞を受賞した経済学者ミルトン・フリードマン氏が提唱し、企業活動の基礎とされてきました。
声明では、従業員に公正な給与や「重要な手当」を提供すること、地域社会の支援、サプライヤーに対する倫理的態度など5項目を、新たな優先課題としています。
今回の件で、米国株投資家の中には、将来に対して不安を持っている方もいるかと思います。
しかし、私としては長期的な視点として、決して株主にとっても悪い事だとは思いません。
格差の広がりによる貧困層の増加は、社会不安を増やし犯罪を生みます。
資本主義は、確かに世の中を発展させ人々の生活水準を飛躍的に向上させました。
しかし、行き過ぎた資本主義は、一部の富める者と多くの貧困層を生みます。
それは、産業革命以前の人類の様に、貴族とその他貧乏人の様な世界になってしまいます。
又、貧困層が増加し消費が減れば、投資先も無くなり経済成長が止まる事で、経済がシュリンクしてしまう可能性があります。
言い方は悪いですが、社会には優秀な人とそうで無い人がいますが、優秀な人以外にもお金を配分して行かなければ、需要不足に陥ります。
経済と言うのは、消費、投資、借金のバランスが取られる事で拡大していきます。
消費が無ければ企業は売り上げがありません。投資が無ければ新たな産業が生まれません。
借金をしなければ、信用創造が働かずお金の流通が増えません。
経済は、よく例えられる身体と同じで、血液を上手く循環させる必要があるのです。
現代は、身体全体に血液が循環しているとは言えず、一部分に留まり行き来をしています。
やはり、これは長期的には訂正していく必要があると言えます。
今回の、株主ファーストからの脱却は、もしかして世間に対するポーズかもしれませんが、従業員は消費者である事を忘れずに、流れが変わると良いですね。
では、米国投資家はどうすれば良いかと言うと、今までの50年間に渡る株主ファーストの流れが変わる可能性はありますが、200年以上に渡り高いリターンを株主に与えて来た米国株は、今後も株主にリターンを与えてくれる可能性が高いです。
米国株は200年以上、どの30年間を切り取っても、6〜7%のリターンを株主に与えてきました。
そのため、今後も投資家は再投資と積み立て投資をする事で、長期的に資産形成をする事が可能だと言えます。